コラム
ここではプロの家庭教師パートナーの講師陣による勉強についての事柄や、その他生徒・ご家庭に役立つ情報等を紹介していきます。
今後の勉強・学校生活に是非役立ててみてください。
11月の勉強
11月です。立冬の候、秋深まる季節です。体調管理にも気を配りましょう。受験生の皆さんにとって11月は何に手をつけていくのか、迷いが出てくる時期です。しっかりした目標、計画がなければ本格的な12月からの直前期に乗り遅れてしまいます。また、厳しいようですが、志望校の選択についても、もう一度考えてみましょう。
まず、11月からの学習において、共通テスト対策を本格的に始めなければいけませんが、共通テストと2次対策のどちらに重点を置くのかが、問題の1つです。共通テストでの仕上がりが8割以上できている人は、2次対策。それ以外の人は、共通テスト対策ということになります。もちろん、2次対策中心の人も、共通テスト対策をやらなくていいという訳ではありません。
今回は、共通テスト対策についてお話しします。テーマは3つ。
第1に、対策の目的です。現在の自分と目標点(共通テスト)との差を知るつまり、どういう問題や分野に躓いているのかを知るということです。そして、その原因を分析し出てきた課題を克服することです。最後に、実践に生かす。例えば、時間配分の工夫、解答の順番の工夫、問題の傾向、特性を研究してきたことを生かすことです。
第2に、使用教材です。河合塾や駿台の共通テスト対策問題集、センター過去問(利用には注意が必要な教科があります)を使います。
第3に学習方法です。こちらが中心になるでしょう。
1. まず、共通テスト(模試)、センター試験過去問を5回分(目安の数字です)をやりましょう。時間を計り、制限時間内で解きましょう。
多くの生徒が、解いた後、答え合わせをして、間違えたところを見直す、まではやっています。しかし、それだけで終了してしまっては、いけないのです。間違えた問の分析を行いましょう。分析とは、まず、どのように考えて答えを導き出したか、を書き出しましょう。具体的には問題を解くに当たって、どの部分、言葉、文に着目し、どう判断したか、その時の根拠は何か、などです。それらを言語化するのです。
次に、解答、解説を参照し、どのように考えると正答を導き出せるのかを確認しますが、その時もそれぞれの根拠を押さえながらその筋道を書き出します。
ここで、自分が何故間違えたのかを理解できるはずです。例えば、知識が不足していた(公式、言葉(用語)の意味を覚えていなかった)、注意すべき点を見落としていた、判断を間違えた(間違えた理由)などです。できるだけ詳細に分析します。これも言語化します。この点があなたの克服すべきところです。ここを修正していかないとまた同じ間違いを繰り返します。これで、分析は終了しました。
2. 次に、もう一度間違えた問題を解き直していきます。その際、先程書き出した内容をすべて読みながら(音読の方がよい)解き直します。5~7回やりましょう。
3. 全ての問題を解いていきます。今度からは時間を短縮して解く練習です。少なくとも制限時間を10分~15分短くしていきましょう。その際も、勿論思考過程を大切にしながら進めます。
4. 最後に、まだ解いていなかった河合塾や駿台の問題で実戦練習です。共通テストパックなども利用するといいでしょう。こちらは、12月に入っていると思います。
また、理科社会が遅れている生徒も多くいます。これからの得点を伸ばすのは理科社会の方が早い人もいます。暗記が中心となるぶん、仕上げることも早くできるからです。全体のバランスを考えて取り組みましょう。
以上が共通テスト対策の内容です。駆け足で説明してきましたが、詳しくは塾の先生に尋ねてみてください。
最後に共通テストと通常の学習の配分についてつけ加えます。
まだ、8割に満たない生徒たちは基礎が完成していないものと考えた方がいいです。焦る気持ちもありますが、基本の学習を中心に据えるべきです。時間配分は、共通テスト対策が3、基本学習が7です。受験直前まで、この基本の学習から離れるべきではありません。
今月下旬には、新嘗祭があります。日本の伝統である秋の収穫に感謝を捧げる日です。
受験生の皆さんも新学年からの努力が実り、大きな収穫を得ることができるよう祈っています。
私の好きな数学は、私の人生を彩ってくれた
第1款 目 標
数学的な見方・考え方を働かせ,数学的活動を通して,数学的に考える資質・能力を次のとおり育成することを目指す.
これは公にされている数学の学習指導要領です。上記にある「次のとおり」については、知りたい人もそれ程いないと思うので割愛します。
以前、教室で生徒と定期テストの復習をしているときに、「この問題は習ってない。教えてくれてたら得点できたのに」と言われて、「教えたはずだ」「いや、習ってない」という冗談交じりの押し問答をしたことがあります。最終的には「そもそも習ったことが無いことを解くために数学があるんだ」という身も蓋もない極論で生徒を丸め込んだのですが、今思えばこれは数学という教科の理想でもあるのだなと思います。
「宇宙という書物は数学の言葉で書かれている」ガリレオガリレイ
教育番組に出演していた数学者が、「物事の考え方を学ぶことが数学」と言っていたのを受け売りにして、似たようなことを私も生徒に言っています。前人未到の壮大なプロジェクトを成功させるのも数学。対応マニュアルの無いトラブルを解決するのも数学。広い意味では、いつもより機嫌の悪いお母さんにパルコまで送ってもらう方法を考えるのも、好きな子にワザとそっけない態度を取るのも数学なのだから、教科書に載っている方程式くらいは解けたほうが良いと伝えているのです。
「拘る」:1.些細なことにとらわれる。2.些細な点にまで気を配る。3.さまたげとなる。
学生の頃の私が唯一興味を持っていた教科が数学でしたが、他の教科に比べて軒並み得点は低いものでした。言い訳をさせてもらうと、「公式やパターンを覚えてしまったらそれはもう数学じゃない」という中二病のような天才気取りの思想の下で、思いっきり赤点を取っていたのです。ですがその低得点を補える得点を、興味のない他の教科で効率よく取れていたのは、数学への拘りが私自身の能力の向上に繋がったからだという気がしないでもないです。
数学に限らず其々の教科、科目には「理想」や「想い」あるのだと思います。全てをそれに則って学習をし、受験をするというのは学生にとって現実的ではありません。ですが、好きなものの一つくらいは拘りを持って取り組んで欲しいと思っています。例えそれが間違いや勘違いであったとしても、何らかの形で人生を彩ってくれるはずです。
この時期の受験勉強の取り組み方
今年度も半分が終わり、受験勉強も後半戦に突入しました。夏の頑張りが実感できる受験生もいれば、もう少しやれたのにと思う受験生もいると思います。ここで9月10月にどのように受験勉強に取り組んでいけばいいか、それぞれの受験について見ていきましょう。
〈中学受験〉
模試の結果から苦手な単元を絞り込み、ピンポイントで対処しましょう。苦手な単元は小4小5のテキストにさかのぼって基本問題からクリアしていきましょう。基本がクリアできたら標準問題、入試演習に進んでください。難しい問題にどれだけ時間をかけても効果は薄いです。出来そうな問題から徐々にレベルアップして理解度を上げましょう。暗記もそろそろ固めておきたいところです。社会歴史はストーリー形式で単元丸ごと覚えると効果が高いです。理科は語呂合わせでリズム良く覚えてみましょう。模試で結果が出ない場合、夏に取り入れた知識が頭の中で整理されていないこともあります。そういった場合、一度夏の振り返りをして頭の中を整理させる時間を作ることで問題が解決することがあります。テキストをまとめ直してみるといいかもしれません。
〈高校受験〉
模試で得点が7割以上だった科目は受験レベル問題の演習に取り組みましょう。そうすることによって満点近い点数を狙うことが出来ます。上手くいかなかった科目は1年2年の教科書ワークを一通り解きましょう。この時期ならまだ間に合います。焦らずに基礎を固めることで追い込み演習の効果が上がります。
〈大学受験〉
受験基礎レベルの学習が終わり、受験標準レベル、共通テスト過去問題、二次試験過去問題、私大過去問題対策に取り掛かる時期になります。しかし、まわりがそういったレベルの問題に取り掛かっているからといって浮き足立ってはいけません。受験基礎レベルが終わっていないのであれば、基礎レベルをしっかり終わらせて標準レベルに取り組みましょう。基礎レベルを終えていないのに標準レベルや過去問に手を出しても効果は薄いです。標準問題の演習をするときは志望校の過去問のチェックからします。過去問に近い問題を選んで演習しましょう。理系科目は解答を書き切るためには深い理解度が必要です。1つの問題集を理解できるまで繰り返し演習しましょう。文系科目は幅広いテーマで出題されるため、多くの問題をこなしていきましょう。
体調管理にも気をつかい、生活リズムを整えて、残された時間を有効に使って焦らず出来ることをしっかりとこなし、志望校合格にたどり着きましょう。
子どもの集中力を続かせたい!
集中力が続かない、物事がスムーズに進まないなどわが子の言動に悩まされている保護者の方も多いはずです。
集中力とは、脳の前頭前野にある注意機能が大きく影響しているようですが、一般的には加齢とともに上達していくとされています。それでも個人には得意・不得意があり、それが学力に反映されるため対象への興味の有無や認識への強弱などへ作用します。
その中でも一番身近な集中力の上達方法は、生活習慣の改善による体力的な向上だという研究報告があります。まず、起床時間を決めて、生活のリズムと整えることからスタートします。これにより体内時計が正常に働くようになります。そのことの影響で就寝時間も改善されることでしょう。成長ホルモンが分泌される夜中の時間帯は、深い睡眠が重要です。
次にメディアの使用時間、運動時間、食事摂取(バランスや時間など)です。過度なメディアの使用は、脳への刺激状態が長時間継続するためにかなりの疲労を感じます。体が疲れていないことや高揚感などで忘れがちですが、この状態のまま就寝しても、脳は休まらないと研究されています。
食事や適度な運動が必要な事は言うまでもありません。バランスの良い食事だけでなく、食事の時間帯や食事に費やす時間も重要です。また適度な運動はストレス解消にも良いでしょう。過度な運動は体に疲労感を与え、勉強に集中できなくなります。体力に合わせた運動を心掛けるようにして下さい。
更に、整理整頓が苦手な子をサポートすることで、意識が他のものに向いてしまわないようにする。ストップウォッチを利用して、ダラダラ時間が経つのを防ぐなどの具体的な方法も研究報告としてあがっています。
まずは生活習慣を見直してみませんか?それから勉強に集中できるように、身の周りのものを整理整頓してみてください。身近なことからはじめてみましょう。
きっと何かが変わってくるはずです。
英語の難易度アップ!? 中学英語の新課程
こんにちは、今回は気になっている方も多いと思われる「中学英語の新課程」についてお話したいと思います。2021年4月から中学英語が新課程となり、大幅に内容が改訂されました。そこで、やはりみなさんが気になっているのは「新課程は簡単になったのか?それとも難しくなったのか?」ということではないでしょうか?私の個人的な見解ですが、はっきりと言います!「新課程の英語は今まで以上に難しい!」と。
なぜ、私がそのように考えるかを具体的に説明していきたいと思います。
覚えるべき単語量が増える
今までは中学で覚えるべき単語は1200語程度とされてきましたが、新課程では1800語程度になります。600語も増えることになるので、今までなら高校でしか習わなかったような単語も覚える必要が出てくるということです。
勉強する文法が増える
これまでは中学では教えてこなかった英文法が出てきたり、またはより文法を深く掘り下げたような内容になっています。例としては「仮定法」や「現在完了進行形」などがあげられます。仮定法は高校生でも理解するのがなかなか難しい文法なので苦労することになる生徒もいるかもしれません。
教わっていない内容が出てくる
これは現在中学生である生徒にのみあてはまることになるのですが、新課程になるにあたり、どうしても「ずれ」が生じます。どういうことかというと、まだ教わっていない内容が新学年では教わったものとして出てくるということです。例えば、旧課程において、中学1年生では教わっていないbe動詞の過去形、過去進行形などの文法が、新課程の中学2年生では教わったこととして進められていきます。ですので、新学年になる前に予習をしておかないとおいてけぼりになってしまうことも考えられます。
以上のことから、私は「新課程は難しくなる」と考えています。今回の英語の内容の変更は旧課程以上に、「自分の意見を考えて伝える」ことを重視しているようです。内容が難しくなり苦労することもあるかもしれませんが、しっかり授業に取り組むことで、より「実践的な英語力」を身につけることができるかもしれません。