2020年 推薦・AO入試が変わる!?
2021年度、つまり2020年4月に高校3年生になる生徒たちから大学入試の制度が大きく変わります。よく話題になるのはセンター試験に代わる、「大学入学共通テスト」ですが、実は推薦・AO入試にも大幅な変更があります。
現在、私立大には推薦・AO入試による入学者が半数以上を超えるところもあり、また国立大学協会は今年度までに国立大の推薦・AO入学者を30%にまで引き上げることを目標にしています。このように推薦・AO入試は今後も大学合格のための重要な選択肢になっており新制度もそうなると考えられます。そこで、ここでは推薦・AO入試がどのように変更されるかをみていきたいと思います。
名称 |
推薦入試 |
AO入試 |
出願期間 |
11月1日~ |
8月1日~ |
合格発表 |
定めなし |
定めなし |
名称 |
学校推薦型選抜 |
総合型選抜 |
出願期間 |
11月1日~ |
9月1日~ |
合格発表 |
12月1日~ |
11日1日~ |
名称だけでなく、総合型選抜に関しては出願期間にも変更があるので注意しましょう。
しかし、やはりみなさんがもっとも気になるのは新制度の『選考内容』なのではないでしょうか。新制度の選考内容は以下のようになります。
推薦入試 |
高校の調査書や学科試験、小論文、面談、グループディスカッションなどでその人物を評価する。 |
AO入試 |
大学が求める学生像(アドミッションポリシー)に沿って、志望動機、エントリーシートなどの書類や面談で意欲や適性を評価する。 |
学校推薦型選抜 |
筆記テストなどで「知識・技能」「思考力・判断力・表現力」「主体性をもって多様な人々と協働して学ぶ態度」を問うことが必須になる。 |
総合型選抜 |
同上 |
このようにどちらの入試方式でも
「知識・技能」
「思考力・判断力・表現力」
「主体性をもって多様な人々と協働して学ぶ態度」
という三要素が求められるようになります。
従来の推薦入試においては、高校での成績などを含む内申書で判断され、また筆記試験などを課す大学もありました。しかし、AO入試においてはエントリーシートの内容や、本人の意欲により判断され、高校での成績などはあまり評価基準にせず、また筆記テストなども行われないことも多く、「学力が問われていない」などという声もありました。実際、学校の成績も散々で、模試などでも結果をさせていない生徒がAO入試で合格することはありました。
そのためこの新制度により評価基準がかわり、もっとも大きな影響を受けるのは「総合型選抜」で受験をする生徒ではないかと思われます。従来のAO入試の意識をもったままだと合格は難しくなります。今まではAO入試ではどんな生徒でも「一発逆転」が可能という考え方がありましたが、これからはそうはいきません。内申書もしっかり判定に加味され、筆記テストも課せられます。学校での成績はもちろん、大学が求めるレベルの学力も身につけなければなりません。もし、あなたが「AO入試だから受験対策は必要ない」という考えをもって総合型選抜を受けると痛い目にあうことになるかもしれません。従来のAO入試に対する考えを改め、「総合型選抜」へ向けた対策を行う必要があります。
新制度においては、「学校推薦型選抜」も「総合型選抜」も、学力・成績・資格・課外活動など「多面的な評価」が行われます。新制度での志望校合格に向け、偏りのない「総合的な対策」をこころがけましょう。