6月第1週がカギ?
みなさん、こんにちは。早いもので1学期あるいは1学期前半も来月まで、夏休みもすぐそこまで迫っています。私が大手のサテライン予備校に勤務していた時、人気講師の面々が衛星授業を通して全国の受験生に向けて口をそろえて話していたのは、多浪する生徒の典型例として「新学期になると予備校にくるけど、ゴールデンウィーク明けから来なくなる。夏期講習あたりからまた来はじめるけど、秋にまた来なくなって受験前に予備校にやってくる。」ということでした。皆さんはいかがでしょうか。新生活にも慣れてゴールデンウィーク明けあたりから中だるみする生徒も増えてくる時期です。中だるみしやすいこの時期こそ、ライバルに差をつけるチャンスです。その意味でもタイトルにあるように6月第1週の過ごし方、つまりこの時期の過ごし方が非常に大事になります。
今回のコラムのタイトルを表題のようにしたのは、実は東京理科大が最近気にある調査結果を発表したためです。
大学成績1年で決まる? 卒業時と一致 東京理科大調査
http://mainichi.jp/articles/20160603/k00/00m/040/141000c
気になる内容を要約すると下記の通りです。
・大学卒業時の成績は1年終了時の成績とほぼ一致する。
・大学卒業時の成績は入学試験の結果とは相関関係がみられない。
・特に1年の6月第1週の出欠状況が、その後の学生生活を左右する。
この中で特に注目して頂きたい点が、6月第1週の出欠状況が、その後の学生生活を左右するということです。東京理科大では、例年1年生の1割ほどがこの時期に授業に出てこなくなり、成績不振や留年につながるケースが目立つとしています。(副学長はこの時期を「最初の鬼門」と指摘しています。)
このため、東京理科大では今年度から、担任の教員が6月第1週の出欠状況を確認し、休んでいる学生に理由を聞いたりして出席を促したりするなどの対応を始めているとのことです。この時期がいかに重要であるかを示唆していますね。
また、大学卒業時の成績は入試結果との相関関係が見られず、むしろ1年終了時の成績とほぼ一致することにも注目しておきたいところです。前述の副学長によれば「上位で入学したのにギリギリで卒業する学生もいれば、補欠合格でも卒業時にはトップクラスにいる学生もいた。」とのことです。大学に入ることだけを目的とせず、入学後も常に目的意識を持って勉強に励むことの大切さが分かるお話ですね。
このことは大学生のみに限らず中高生や中学受験生にも当てはまります。新学年での生活にもしだいに慣れ、中だるみが生じやすいのがゴールデンウィーク明けからこの時期にかけてです。中だるみしやすいこの時期だからこそ今一度生活や勉強の習慣を見直してみましょう。
高校生はインターハイ、中学生は中体連で忙しい時期だと思います。学業と部活動の両立は大変なことだと思いますが、時間を有効に活用することによってむしろ成績を上げることも可能です。
私自身のことをお話しすると、練習に追われていた時の方がむしろ成績が格段に上がっていました。私が高校1年の秋の頃の話になりますが、高3生の部活引退に伴いリレー要員となるよう当時所属していた部から依頼されました。高校入学後、最初の定期テストで真ん中ぐらいだった成績が徐々に上がり始めていた時期だったこともあり、そして何より九州大会の常連校だった上、県大会のリレー種目で入賞できるかどうかで九州大会に連れていける補欠要員の人数が大きく変ってしまうため、それだけ責任が重く今まで以上に勉強に時間が割けなくなることが予想されたため、引き受けることで成績が下がらないか少し不安がよぎりましたが、他にお願いできる部員がいなさそうだったので引き受けることにしました。練習はハードで夕方から夜までの練習は毎日、それに加えて5:30からの早朝練習が週に2~3回、ゴールデンウィーク・盆・正月は1日3回朝・昼・晩の練習をこなしました(1日15000m程は泳いだでしょうか)。日曜祝日以外に朝練がある日は弁当を2つ持って朝5時ごろに暗闇のなか家を出て、朝練が終われば7:40からの全員必須受講の朝補習に間に合うように学校に走っていき、学校が終われば夕方から夜までまた練習、1日3回練習の時は練習の合間は仮眠か宿題をこなすという日々が続きましたが、そんな生活の時の方が自分でも驚くほど成績が著しく伸びていました(限られた時間の中で行動していくうちに、知らない間に時間の使い方が以前より上手くなっていたのかもしれません)。その結果高2から特進クラスへの編入となりました。
そんな部活まみれの日々を過ごしていても、いつかは引退しなければならない時がきます。入学以来続けてきた部活が終わり、いわゆる「部活ロス」に陥っている生徒もいるかもしれません。しかし、ここは気持ちをいかに素早く切り替えるかが大切です。中だるみしやすい時期にどれだけやるか(つまり他の人が気持ちが勉強に向かない時期にどれだけ勉強するか)が大切です。特にAO入試や各種推薦入試での受験を考えている高3生にとっては夏休み前の校内推薦会議での好判断材料を持っておくためにも、1学期末テストで今までの成果を最大限に出し切ることが重要となります。
いかがでしょうか。ゴールデンウィーク明けから特に6月第1週の過ごし方が、皆さんの今後の人生を大きく左右します。今一度、自身の生活や勉強のリズムを見直してみてはいかがでしょうか。