中学受験その前に
新年度を迎え、子供たちにおいては新しい教室、友達に慣れてきた頃だと思います。
そして、中学受験を考えてみようと塾や通信教育などの情報収集を行っている父母の方もいらっしゃることだと思います。
私達、家庭教師は毎年、新小学5・6年生、そして夏以降、ラストスパートという形で指導させていただく機会を多くいただいております。
中学受験において家庭教師を選択いただく理由、その中で最も多いものが「塾で成績が上がらず、今のままでは志望校への合格が難しい」とのことです。
ではなぜ成績が上がらないのでしょうか?
理由は以下
- 授業で何ページのどこを解説しているのかわからない。
- 宿題ができないため、授業中させられる。または復習分野のみさせられている。
- 授業を聞いていない、受験する意欲が本人にない。
- 授業は真面目に聞いているが何をしているのかわからない(基礎学力不足)
などであり、中学受験、塾に通わせる以前に問題があると考えられますし、もちろん優秀な子供たちも沢山いることも事実です。
では中学受験を考える前にどのような事ができるようになっていれば良いのでしょうか?
- 鉛筆や箸を正しく持ち、使用できる。
- ひらがなや、カタカナ、漢字等、書き順が定まっているものを正しく暗記することができている。
- 規則正しい生活をし、朝一人で起きることができる。
- 夏休みなど、大量の課題を含む学校の宿題を一人で計画的に優先順位を設けて片付けることができ、提出期限を守ることができる。
- 家庭内ルール(テレビやゲームの時間、門限など)を守ることができる。
- 身の回りの整理整頓、ノート、プリントの管理ができる。
- 読書の習慣がある。
- 将来してみたい、なりたいなど周囲の意見ではなく、自分の意見を持っており、それに向かって何らかの努力を行っている。
以上、中学受験の勉強をするにあたり、十分な学力向上を見込むことができる条件を上げてみました。
これを見て気付く方もいらっしゃると思いますが、学力的なことよりも成長と共にできるようになる「当然のこと」が重要だということです。
勉強時間はどれくらい必要?
無理のない例を以下に示します。
毎日
- 小学1年・・・20分
- 小学2年・・・40分
- 小学3年・・・60分
- 小学4年・・・80分
- 小学5年・・・100分
- 小学6年・・・120分
を目安に宿題や読書とは別に家庭学習をしたとしましょう。
小学1年生~小学4年生終了までに7,300分(1,200時間強)
更に小学6年生まで上記の通り学習すると合計2,500時間強の家庭学習が可能となります。
塾では小学5年、6年、合計2,000~3,000時間を目標にしているところが多く、平日3日×2時間、土日合計20時間、週26時間、2年で約100週26×100=2,600時間(もちろん夏休みや、冬休みなどで更に時間が増えます)
このようなスケジュールで2年間を過ごすことになります。
更に宿題により家庭学習時間が必要となり、いきなり中学受験をさせられる形で塾に通う子供にとっては大きなストレスになりかねません。そして、前述したような問題が起こり、成績の停滞や、低下が起こるというわけです。
時間だけ見てみると、小さい頃からの小さな努力の積み重ねがあれば、自宅学習のみでも十分な学習時間の確保ができることがわかります。
そして、その小さな努力があれば、塾で大きなつまづきになる可能性を抑えることができるのではないでしょうか。
中学受験を扱う塾での小学5,6年生の内容は小学1年生から行うことは難しくする必要はありません。
小学校の指導範囲をその都度、ゆっくりと復習し、確実に知識を定着させていくことで、中学受験、志望校合格が見えてくるのではないでしょうか。